大手企業はどのように副業制度を取り入れているのか?~DeNA、ソフトバンクの事例から学ぶ

人事制度に積極投資する先駆的な企業であればあるほど、率先して「副業を許可する制度」を取り入れ始めてきています。

しかし、社員の副業を認め、それを促進することは各社はじめての取り組みで、まだ取り入れていない企業は導入に不安を覚えていたり、どのように導入すればわからないという声も聞きます。

また働き手側も、自社の副業制度が一体どのような制度で、副業をすることに何のメリットがあるのかがまだ認知されていない印象です。

今回の記事では、すでに副業制度を自社に導入しており、実際に副業で働いている社員がいるDeNAとソフトバンクの取り組みについて解説しながら、副業制度を取り入れるにあたって何を懸念し、どのような仕組みを作ったのかをご紹介します。

 

①DeNAの新人事プロジェクト「フルスイング」

DeNAでは、ヒューマンリソース本部にて、社員が熱意をもって「フルスイング」できるような新しい人事プロジェクトを開始しました。

第一弾としては、”キャリアを通じた自己実現”という観点で、副業・兼業や、社内異動、キャリア相談、キャリアアンケートといった、現業に加えた新しいキャリア接点の機会とキャリア育成支援の取り組みを始めました。

特筆したいのは、「クロスジョブ制度」と「副業制度」の2つです。

クロスジョブ制度とは、業務時間の最大30%まで自部署ではなく他部所の仕事を兼務することができる、いわゆる「社内副業」に近い取り組みです。

これをすることで、他事業部が取り組んでいなかった施策を、他部署の人材が推し進めたり、エンジニアとビジネスといった職能部署を横断した施策ができるなど、事業観点で見てもメリットがあると考えられます。

また副業制度とは、その名の通りで、社外で副業ができる制度です。

DeNAでは、個人の自己実現を促進したい、その結果としての本業への寄与を期待できるかもしれないと、従業員個人のwillを尊重するような施策として、副業制度を作ったと聞きます。

実は、はじめは副業制度をスタートするにあたって社内で懸念はあり、本業に支障は出ないか、会社に迷惑がかからないか、体調が崩れないかなど、反対意見もあったようです。

そこでその懸念を払拭するために、

1.本業に支障を出さない
2.会社に迷惑をかけない
3.健康管理時間を遵守する
この3原則を、上長および副業運営事務局が確認したうえで、副業を承認するといった承認制度を作りました。

また、承認したその後は、副業開始前の研修を実施し、定期的に副業の実施状況を回答してもらうことで、上長や副業事務局がフォローをするような仕組みを導入しています。

弊社の所感として、このような副業ルールの規程作成や、事務局を設けた運用などは、リスクに対するさじ加減で強めたり弱めたりするべきだと思います。

あまり強めすぎると、従業員が副業から遠ざかってしまい、反対に申請なしにコッソリ初めてしまうリスクが起こってしまいかねません。なので、例えばベンチャー企業が導入する場合などは、申請のみでフォローやモニタリングは最小限にする、といった緩和された取り組みからで良いと思います。

しかし東証一部に上場しているような、コンプライアンス意識が高度に保たれているような企業ですと労働リスクがあるのは確かですので、従業員を尊重しながら適度なルール設定やフォロー体制を組む必要があるでしょう。

 

②ソフトバンクの人事スローガン「smart&fun」

ソフトバンクは、ITの力を駆使して働き方を変えていくという「働き方改革」として、様々な先駆的な人事制度や手法をトライしています。

コアタイムを撤廃し、始業時刻・終業時刻を日単位で変更可能となる「スーパーフレックスタイム制」や、働く場所の選択肢を増やすためにWeWorkを含めた「サテライトオフィス活用促進」など、他社に先駆けた取り組みが印象的です。

また、アグレッシブな取り組みは就業規則を変更し「副業制度」を解禁したことです。

ソフトバンクではもともと副業は就業規則上でも禁止でしたが、社員のスキルアップやイノベーションのきっかけとして副業を認可するようになりました。

ソフトバンクの実際の取り組みとしては、副業に関するガイドラインを作成し、副業申請を行うための社内システムを構築。社内システムを通じて本人が副業申請をすれば、上長チェックのうえ人事部にわたり、問題がなければ数日で許可されるといったフローが構築されています。

ガイドラインに定めたものとしては、「雇用契約を結ぶのは禁止」「業務時間内には副業を行わない」といった常識の範疇のもののようで、社員に対しては定期的に内容の告知を行っているようです。

ソフトバンクでは、副業の申請時に「副業をすることで自分自身が獲得できるスキルや経験」を記入させるようにしているようです。こうすることで、積極的に自己成長がしたい、スキルを獲得したいという従業員のモチベーションと、副業の実施を上手に交わらせることに成功しています。

 

弊社としても、外部の環境に触れて成長がしたい、スキルを向上したいという目的で副業制度を導入することに賛成しており、これを徹底して風土作りをするようなアドバイスをすることが多いです。アルバイトのようにお金を稼ぎたい、というよりは、本業でもシナジー効果を埋めるような、自分の能力を開発できるものとしての「副業」という立ち位置で案内すべきでしょう。

ソフトバンクではボクシングや英会話の講師なども副業としても認めているのですが、弊社としてこれには反対です。できれば、現職の業務に近い、関連しているもので、違う環境でそれを行うことで脳に刺激を受けたり、異なるやり方をインプット出来るような副業のほうが、会社経営や個人のキャリア育成の観点では良いと思うのです。

弊社が提供する副業サービスは、出来るだけ現業のキャリアを活かした経験を、ベンチャーやスタートアップなど成長中の企業で行うことが出来るものとして提供しています。

これが何が良いかと言えば、成長中に企業とはいえ、まだ小さな企業は課題感がいっぱいで、ここに副業として取り組むということは強制的に経営視点を持たざるを得ません。また、ベンチャー企業は人的リソースが少ない分、自分1人が裁量を持って支援できるフィールドが広く、経営視点に加え職能を横断したような課題解決ができるチャンスがあります。

会社組織は大きくなればなるほど、縦と横に分けられていく、つまり経営者とメンバーといった役職の壁や、営業とエンジニアといった職能の壁が出来やすくなります。

その壁を超えて、横断的な思考力や課題解決力を養える環境が、「ベンチャーにおける副業」だと思います。

 

③副業制度導入時に人事が行わなければならないこと

少し脱線をしてしまったのですが、DeNAやソフトバンクの取り組みから、副業制度を導入するうえで最低限、人事が行わなければならないことをまとめます。

 

1.副業ガイドライン・ルールの作成

2.申請フローの構築

3.報告、モニタリングの仕組み構築

(4.就業規則の変更)

 

1.副業ガイドライン・ルールの作成

まず、最低限の副業に関するガイドラインを作成する必要があるでしょう。

はじめは、A4一枚のWordファイルでの作成からで良いと思います。

・どのような種類の副業であればOKか

・共有、報告をどのようにするか

・申請ルール

・本業作業時に副業することを禁ずる

といった内容を設けると良いでしょう。

ガイドラインの厳格さは、会社の規模感にも寄るでしょう。

スタートアップでは本当に簡易な3つのルール、程度でも良いでしょうし、大手上場企業であればもう少しリスクを洗い出したうえで法務と相談しならが作成する、といった取り組み方の違いはあると思います。

 

2.申請フローの構築

また申請フローについては、

・社内の稟議システムを応用する

・Googleフォームなど申請フォームを設ける

・人事に紙で提出する

などの中から、導入しやすいもので構築すると良いでしょう。

副業の敷居を低くする、という点では、できればシステムで申請できる仕組みのほうが良いと考えられます。また申請後は人事だけが見るのか、人事と直属の上長が見るのか、人事・直属の上長・事務局メンバーで見るのか、などは会社の規模感によって分けられるでしょう。

申請時のフォームの項目は、「副業先の企業名」「副業内容」「月の想定稼働時間」「副業の目的(得たい経験やスキル)」などを設けましょう。

最低限、Why(なぜ)、Where(どこで)、What(なにを)、How long(どのくらいの長さで)は押さえて、副業の全体像をつかめる内容を記載して頂くと良いでしょう。

 

3.報告、モニタリングの仕組み構築

報告やモニタリングについては、そもそも報告を行わせるのか、報告してもらうとしたらどの程度の頻度か、何を報告するのか。また報告先は人事か、上長か、などを事前に想定して仕組みを構築します。

定期メールなのか、1on1や面談なのか、もしくは副業後の感想文のような報告なのか、など報告スタイルに関しても考えるべきでしょう。

弊社がおすすめするのは、副業終了のタイミングで、「副業で学習したこと」を報告させるスタイルです。副業をしている際に、人事や上長に都度報告するのは、働き手からすると悪いことをしているようで、正直嫌なものです。

本来の目的が、外部の副業経験から学習して、それを社内に持ち帰って活かすことであるなら、それを意識するような報告をしてもらうほうが良いと考えています。

副業の取り組みから学んだ、「施策、手法、スキル、取り組み、考え方、課題解決」など、内容は問わずに、複数行のテキストでアウトプットをしてもらう、そしてそれを上長が確認して、良い手法や考え方は実際に現場でも取り入れてみる、といった流れを作れば会社組織にとっても好循環を築くことができます。

 

4.就業規則の変更

これは、一般的な就業規則のフォーマットであれば、副業に関して禁止をする規程を作成することのほうが多いため、これが障害になりそうであれば就業規則を変更してください。

 

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