(広報編)副業社員を活用して1人立ち~ベンチャー・スタートアップ企業の広報力を高める

もともとPR会社にいらっしゃって、現在は独立をされている@ryokownさんのこちらの記事が大変勉強になりました。

一般的には、ベンチャー・スタートアップの企業は、一番キャッシュポイントになりやすい職能を組織内で強化します。それは、すぐに営業売上に寄与する営業マンや、機能開発を進めるエンジニア、外部からユーザーを獲得できるWEBマーケターなどです。

そのため、時間軸が長く、施策効果やコスト感がわかりにくい広報職の投資は後回しにされがちです。また、@ryokownさんがこちらの記事で触れているように、そもそも結果を出せる広報職の方の転職オプションは、同業の代理店や有名な事業会社など多岐にわたるため、そもそも中途での採用が難しいことは事実です。

そこで、記事の中で現実的にスタートアップ内で広報機能を強化する施策として、下記のご提案をされています。

 弊社もこの取り組みは他職能でも経験があり、学習意欲が高く成長ポテンシャルを感じられる未経験の若手に対して、外部からプロフェッショナル性の高い人材を外注でつけていって、併走しながら自走に向けて教育していく方法は、自社でやってこなかったことを行う一つの選択肢となるでしょう。

そこで本記事では、外部からプロフェッショナル人材を副業社員として登用し、有望な若手を育成しながら、自走させていくプロセスについて説明をしたいと思います。

今回、参考記事として拝借しましたのが広報職の方の記事でしたので、副業人材を活用して広報機能を作っていく、という観点で述べます。

 

①そもそも、どんな外注を活用し、社内では誰を広報にアサインするのか

まず外注したいプロフェッショナルの人材ですが、@ryokownさんのようなPR代理店で多くの広報業務経験があり、「弊社で広報をしたらどのような取り組みが良いですか?」と質問をした際に、その場で仮説ベースでも提案が出来る方がいいでしょう。

PR代理店にいらっしゃる方であれば、業種や商品問わず多くのPR実施経験があります。できれば、自社の市場に近い分野での業務経験が過去にあり、再現性をもって依頼ができそうな方が尚良いでしょう。またPR代理店の中でも、営業部署と運用部署(広報の実施部署)に分かれている場合があり、前者の方は蓋を開けてみればそれほど生の広報経験がない場合もありますので、できれば広報の実施や支援に特価して業務経験を積んだ方が良いと思います。

会社名でいえば、電通PR・共同PR・サニーサイドアップ・フラップジャパン・オズマPR・ベクトル(+アンティル・イニシャル・プラチナム)・トレンダーズ・ブルーカレントといった代理店の在籍者か元在籍者で優秀な方を指名しましょう。

依頼事に面接を行う際には、広報業務の習熟度、自社製品の理解の早さ、行動力や営業力などをポイントにチェックすれば良いと思います。

 

また広報機能が自社にない場合に、誰を広報にアサインすべきか?ですが、広報に求められる能力を弊社は下記のように定義しています。

1.ストーリーテーリング力

2.ビジネス自頭の良さ

3.行動量(成長努力)

4.人としての愛嬌

そして、結論としては「自社で話が上手く、行動力のある営業マン」を未経験でも広報にアサインすると良いと思います。

広報には、自社の商品や組織、会社経営、経営者自身などの情報を元にして、メディアやその先のメディア視聴者に対して魅力のあるストーリーを設計していく能力が必要です。そのためには、そもそもどんな記事が各媒体で受け入れられやすいのか、どんな記事がメディアに掲載されれば自社にプラスの価値を与えられるのかを考える自頭が欲しいです。

これが出来る人材は、日頃の営業活動を行っていて、各々異なる顧客のタイプに合わせて、どんな提案を持っていけばこの人に刺さるのか?と考えながら営業が出来る方です。毎回同じような営業提案をしている人ではなく、都度の提案内容を変えていく思考力は、そのまま対メディア交渉にも生きる能力です。

 

また、行動量や愛嬌のようなものも必要です。まず、広報活動を行ううえでは国内の主要媒体すべてと、そこにいる編集者やライターについて押さえる必要がありますし、世の中のトレンドや媒体ごとで人気のある記事などもチェックしなければなりません。

これをするには相当の業務を1人で抱え込まないといけないので、圧倒的に行動量が多く努力できるような方のほうが向いている仕事でしょう。

またこれは弊社がメディア企業様と取引した経験則ですが、メディアにおける編集者やライターという職業の方は、一般のビジネスマンとは少し違い、良くも悪くも癖のようなものがあります。性格も人それぞれで難しい方もいらっしゃいますので、そのような方々に気に入られるような愛嬌も必要でしょう。よく美人な方が広報にアサインされる場合が多いのですが、ただ顔が整っているだけではなく、上手く多くの方に可愛がられながら関係を保てるような方のほうが広報向きだと思います。

営業職の方の中で、上記のような特性や能力を感じさせるような方であれば、思い切ってポテンシャルとして指名してしまい、外部の人材とともに仕事を教えていって育てていくと良いでしょう。

 

②広報としてどんな仕事を任せていくのか

あくまで簡易的な全体像ですが、広報の仕事は下記のようなものです。

・メディアリストの作成

・自社のネタ作成

・具体的なアポ取り

・取材対応

・メディアとの記事内容調整

 

これらの業務を、外部の副業人材を活用しながら行っていきます。

まずメディアリストですが、これは自社が広報として掲載を依頼したいメディアや編集者の連絡先リストです。これはオフィス内にいなくても作成ができますので、外部の人材に相談しながら主要媒体のリストを一気に作ってもらうことをオススメします。

また業界や技術のマニアックな分野のメディアは、外部の広報人材でもわからないことが多いです。これは社内でアサインした未経験の方に、会社内のメンバーに対し日頃どのようなメディアやWEBサイトで情報収集をしているかインタビューやアンケートを取ってもらうとより精度の高いものが出来ます。

リストをExcelなどでまとめれば、後は自走して定期的に見直して、追加・修正をかけられるようにしておけるよう整備すると良いと思います。

 

ネタの作成については、未経験の人がいきなりやるとかなり質が低いものになりがちです。一度外部の副業人材に依頼をし、自社の商品サービスの広報ネタ例をPowerPointやWordなどで作成してもらうと良いと思います。

「このレベルのアウトプットが必要なんだ」ということと、「このネタを作るのにこんな思考のプロセスが必要なんだ」ということをアサインした未経験の方に理解してもらわなければいけません。

このネタ作りが広報のキモとなるため、外部の人材の手を借りって業務水準の高さを理解してもらいつつ、PR関係の書籍、例えば「実践! プレスリリース道場」「プレスリリースはラブレター」などを自習として読み込んでもらい、どんなポイントを押さえどのような考えでネタのアウトプットを出すのか学習していただくと良いでしょう。

 

メディアリストとネタがあれば、次にやることはアポ取りです。これは営業のアポ取りと全く変わらず、「ネタという商品」をメディアに対して営業し、先方に聞いてもらう必要があります。このアポ取り作業を外部の人材に依頼することは、業務量として現実的ではないため、外部の方にはトークスクリプトを作成してもらい、実際の架電作業は社内の人材に任せると良いと思います。

また営業の育成と同じく、全く相手にされなかった場合は、どこがダメだったと思うのか振り返りの時間を設けるようにし、その改善アドバイスを外注した副業人材にお願いしてもらうといった分担をすると良いと思います。またロールプレイングや営業音声の録音などを行って、営業トークのどこがいけないか指摘をもらってもいいでしょう。

 

取材対応では、社内の誰をアサインし、どのような内容をメディアに対して話すのか、台本のようなものを準備するとよりスムーズです。ここでの準備は一度外部の方の力を借りながら、実際の取材にも立ち会ってもらうと良いと思います。

どのような準備をしてどんな流れで取材が進んでいくのかは、広報未経験の方ではわからないので、外部人材に立ち会ってもらうことでこのイメージを持ってもらいましょう。

またこれは社内ごとではありますが、たいていのスタートアップやベンチャー企業では社長が取材に対応することが多いです。この際に、簡易的な対メディアトレーニングを外注した副業の方に行ってもらうと、なおメディア受けが良くなると思います。先方がスタートアップ系のメディアであればそこまでしなくても良いのですが、信用ある有名メディアであればその場の態度が悪ければ次の依頼を避けられることも可能性としてはあります。ですので、広報とて育てたい人材に加えて、社長の広報力もこのタイミングで鍛えていくと良いでしょう。

 

原則、取材後の記事内容については、メディア側に委ねることが一般ルールです。自社の紹介や数字面を見て、誤っている部分がないかの確認をするだけで、これは初めは外部の人材を使いながら徐々に1人立ちさせていくと良いでしょう。

スタートアップ企業でよく起こる勘違いな行動として、ここでもっと自社の宣伝になるようにこんな文章にしてくれと注文をつけすぎることです。これはメディア側の良識があればあるほど、受けが悪いです。広告と編集は立場が異なり、あくまで企業の情報はネタの1つとして拝借しているに過ぎないため、ここで企業側がかんしゃくを起こしたような依頼をすれば次の依頼はありません。

 

これらが一連の業務例ですが、1つ1つ、外注した方を活用しつつ進めていけば、どんな会社でも出来る業務だと思います。また未経験の方でも、何度もプロフェッショナルのアウトプットを見せたり、自分自身で勉強して頭や体を使う経験を何度もさせれば1人立ち出来るでしょう。

 

③広報機能を拡大していく

もし外部の人材とパートナーを組む中で、本当に能力があり信頼できる方が見つかったら、少しずつ広報の業務を拡大したような取り組みを依頼するのもいいでしょう。

「採用」「資金調達」「商品マーケティング」「社内活性化」などが取り組み例です。

例えば採用の分野では採用広報や採用マーケティングといった、通常の採用活動を強化する施策もあります。リファラル採用イベントや、採用系オウンドメディア運用、技術者メディアへの技術広報などが該当します。

また資金調達ではストーリー設計や、資金調達後のプレスリリース配信などをお手伝い頂くと良いと思います。昨年にパンローリング社から出版された「企業に何十億ドルものバリュエーションが付く理由 ──企業価値評価における定性分析と定量分析」という本では、ストーリーの設計次第でバリュエーションが向上するロジックについて触れています。自社の会社、商品、経営者などをどのような表現で見せると人を魅了するストーリーに昇華できるかは、広報系人材でも力になれる分野でしょう。

また商品マーケティングでは、製品資料やホームページ、広告訴求のクリエイティブ、コンテンツマーケティングとしてのホワイトペーパーなどで、広報の方で一案を募っても良いと思います。

社内活性化では、社内の強みや良さをどうネタとして切り取り、それを定期的に発信する媒体や機会を社内でどう作っていくかを相談してもいいでしょう。

広報のプロフェッショナルであれば、どの部分をどのように社内に見せていけばモチベーションが高まっていくかのストーリー設計に強いはずです。インターナルマーケティングや社内広報と言われる分野ですが、社内の士気は会社の成長にとって大事な土台ですので、これをどのようなクリエイティブを持って高めていくかを施策として取り組むのも大事なことだと思います。

 

ぜひ企業の皆さまにはプロフェッショナルな広報人材を外部から契約し、自社の広報力を高めるといった施策に挑戦してほしいと思います。

また現在広報職をされている方は、広報機能がなく困っているようなベンチャー企業に副業として支援していくようなプロジェクトにぜひチャレンジしてみてください。

 

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