弊社はベンチャー企業に参画できる副業案件を紹介する事業を行っているため、日頃ベンチャー企業と接触しているVC(ベンチャーキャピタル)や投資家にヒアリングや事業アドバイスをいただくこともあります。
VCは成長する(EXITできる)と思われるベンチャー企業・起業家に対し投資を行います。ある程度の売上・トラフィックがすでにあり、管理会計体制が整っている会社に対しては、DD(デュー・デリジェンス)が比較的行いやすいのですが、まだ製品がない会社に対してはピッチ面談における質問で見抜くしかありません。
そして、この質問フレーズはベンチャー企業をベンチャーと定義しうる大変深い内容です。本記事では、シリコンバレー出身のVCの方から聞いた、実際に行っている質問フレーズを紹介し、その裏にある意図を読み解きます。
ベンチャー企業にジョインするうえでの判断軸や、自ら会社を起こす際の検討軸としてご利用ください。
シリコンバレーVCの質問フレーズまとめ
こちらは、実際のピッチの中で投資家が質問をしたフレーズです。
- 「あなただけが知っているインサイトは何?」
- 「チームにエンジニアはいるの?」
- 「USPは?」
- 「10倍良くするプロダクトなの?」
- 「why this / why now / why you ?」
あなただけが知っているインサイトは何?
私がピッチを見ていた感想なのですが、投資家にとって知っている常識的な話、ニュースでも流れているような話をした際の投資家の表情は実につまらなさそうでした。
まるで、「もっと自分の知らないインサイトを見せてくれ」とため息をついて訴えているようにも見えました。
投資家の方は、一通りピッチを聞き終えた後にこう返答しました。
「君の話は、他の人もニュースを見て知っているよね。みんな気づいている。”顕在化した話”だ。まだ誰も気づいていない、あなたしか知らない真実を教えてほしい」
この発言はピーター・ティールの「賛成する人がほとんどいない、大切な真実はなんだろう?」という問いかけにも近いものを感じました。
「みんなが気づいていて、課題になっているもの」ではなく「みんなが気づいておらず、なおかつ課題として巨大なもの」についての先見性を持った人物なのかを見抜きたいのだと思いました。
これは投資家のタイプによっても異なると思うのですが、「わかりやすいインサイト」より「わかりにくいインサイト」のほうが、この方の場合は興味が持てたのではと思いました。つまり、社会や業界の前提条件となる情報より奥深くにある、より生々しい、ただ当事者ではないと見えてこないような課題感やインサイトです。
しかし、あまりにマニアックなインサイトでは同じ課題感を持つユーザーが少ないですから、実は多くの人や組織にとって課題になりそうなのに、解決できていないままになっている、でもその課題やソリューションはある程度の専門性や目線を持たないと見えてこない、といった複雑なもの。でもプレゼンはわかりやすく、といった矛盾の中の折り合いに、一筋の光があるのでしょう。
チームにエンジニアはいるの?
これはシード投資家に特有の質問だと思いましたが、プロダクト開発の実現性があるかを確認するように、チーム内のエンジニアの有無を質問されていました。
「君に投資するとして、本当にそのプロダクトが作れるかわからない。そのリスクを私たちは負えない。(追うのは割に合わない)」の発言が印象的でした。
とはいえ、開発者の有効求人倍率は高まっており、かつ年収も高騰傾向であるため、エンジニアの採用難易度は非常に難しいです。
ですので、早期の段階で優秀なエンジニアとの関係構築、エンジニア組織体制への理解をベンチャー企業は意識し始めなければならないと感じ取りました。
USPは?10倍良くするプロダクトなの?
市場が始まっており、すでに競合が参画していることが明らかにわかっている企業に対し、投資家の方は「はぁ…」とため息を付いているようでした。
「そのプロダクトは何を10倍良くするの?競合とどう違うの?他のサービスと似ているようにしか見えない。USPを見せてくれ」と詰め寄るような発言をされていました。
それは、プロダクトの切り口、目付けのポイント、イノベーション可能性、圧倒的な独自性といった、「急成長のタネ」を見つけたそうな印象を受けました。
これを投資家に感じさせるには、表現力も重要だと感じました。新しい観点をもった新規性の高いプロダクトで、他のサービスとは全く異なるものなんだと主張出来るような表現・プレゼンテーションが出来るかで、投資家の反応も異なるのでしょう。
why this / why now / why you ?
なぜこの製品を選んだのか、なぜ今のタイミングで始めたのか、なぜあなたなのか。
投資家の方はこの3つのwhyを執拗に質問していました。
わかる方にはわかると思うのですが、リクルートの「お前はどうしたい」の問いかけと同じようなしつこさを感じたのです。
「なぜこの製品なんだ」「なんで今やるんだ」「なぜあなたがやるんだ」
その場限りの場当たり的な対応では、私は動かないぞ、といった態度で、投資家の方はひたすら「なぜ」「なぜ」と深堀りをされていらっしゃいました。
なぜ、の問いかけをひたすら行って、起業家に対し内省させるのは、おそらくですが「起業家としてやり切る意思が持てるのか」を見定めたいのだと思いました。
起業はHARD THINGS(ハード・シングス)と呼ばれますが、十二分な理由や思いを込めて熟考を重ねた事業でなければ、継続できないと考えているのでしょう。
シリコンバレー投資家の期待に答えるベンチャー企業を作る
弊社はシード起業家に対しての支援は行っていないのですが、
「USPを強固なものにする」
「既存のものを10倍よくするようなイノベーションを強める」
「エンジニアが採用・活躍できる文化をつくる」
といった点は、企業のフェーズに関わらず支援が出来る項目だと思いました。
弊社は複数のベンチャー企業と取引をしており、上記のような支援を副業として行う方を募集しております。
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