スマートな上位1%の就活生のための就職活動ガイドブック~情報は力であり戦略である

筆者は、2017年、2018年を代表するような有名なベンチャー企業から、日本を代表するグローバルなメーカーまで、様々な企業の採用戦略を支援し、採用を担う人事担当と、企業内で活躍するプロフェッショナルな方々を目にしてきました。

3月1日から就職活動が解禁され、さっそく多くの優秀な就活生の方からご相談を頂くようになりました。私は、情報は力であり、戦略であり、行動であると考えています。

社会人と就活生の間には巨大な情報の溝があります。またHR・採用の専門家と一般のビジネスマンの間もそうです。この情報の溝は行動の判断を見誤らせ、無駄な努力や満足しない結果を導いてしまいます。

本記事では、本当に賢いスマートな就活生の方が、就職活動を行ううえでの正しい戦略と判断軸を養うための「就活戦略」をまとめます。積極的に情報を集め、正しく考え、正しく動くガイドブックとして、ぜひ印刷をして、何をすべきか自分で考えながら、線を引いて読み進めてください。また、現在社会人の方は、学生の相談に乗る際にぜひ活用し、内容をご共有ください。

 

[目次]

1章:企業の接触数にコミットする

2章:企業の生の情報を集める

3章:伸びる市場を探す

4章:自己PRは企業視点に基づいて行う

5章:ライバルがいない場所を狙う

6章:就活ビジネスに騙されない

 

1章:企業の接触数にコミットする

マーケティングの世界では、CVR(コンバージョンレート・成約率)の方程式があります。

その方程式は下記で表され、マーケティングの世界では常識となっています。

「露出数 × 成約率(CVR)=成約数」

 

就職活動の戦略は、「露出数」にコミットをすることです。

つまり、多くの企業と接触をすることです。

おそらく、就職活動時に1企業に内定をもらえる確率は1~5%程度です。仮にならして考えると3%。もし3%の確率で3社の内定を獲得するために必要な行動量は、方程式から簡単に導き出せます。

100社(申込数)× 3%(内定率) = 3社(内定数)

もし、倍の6社の内定数を得るのであれば、200社のエントリーが必要です。

一般的な就活生は、自己PRやエントリー企業などを頑張り、内定率を上げに行きますが、ハッキリと言ってしまえば、内定率は個人の努力ではどうにもならないこともあります。そのため、就職活動の大前提は、どれだけ多くの企業に接触することが出来たか、その行動量にコミットすることが重要となります。

就職活動におけるエントリーが無料であり、自由に使える時間が相当あるという状況下では、片っ端から色々な企業にエントリーする行動力のある学生かどうかが競われます。

中途の採用であれば、働く年数が経てば経つほど、内定を獲得できる会社の業界や規模が限定されてゆくのですが、新卒ではそうではなく、ほぼ全業界・全会社規模の内定可能性があります。

ですので、どの業界か、どの会社規模かという悩みは捨てて、自分のスケジュールが許す限り選考可能な企業すべてにエントリーすることをオススメします。

どの会社を選ぶべきかという判断はエントリー後に考えるべきであり、選考の過程で多くの企業の人間と接触をしながら修正をかけていくべきです。

 

2章:企業の生の情報を集める

就職活動においては、できる限り、選考で受ける会社の中の生の人が発する情報をできる限り集めることをオススメします。

就職活動アドバイザーの方や、就職活動の書籍などは、各企業における職能経験、現場経験がない方がほとんどですので、全く当てになりません。(野球をしたことがないのに、野球を語っているようなものです。)大半は、無視してしまったほうがいいです。

生の情報を集めるにあたり、信憑性が高いWEBサイトは、転職口コミサイトのVokersと転職会議です。

Vokers https://www.vorkers.com/

転職会議 https://jobtalk.jp/

ショッキングな事実ではありますが、世の中の大半の企業は、何らかの点で社員の満足度が低く、人間関係・プレッシャー・政治・いじめ・単調な業務などでその会社を辞めています。

新卒説明会であたかもキラキラと輝いて見えるような企業も、口コミサイトを覗けば罵声の嵐であることも珍しくはありません。そもそも、新卒説明会は企業が人材事業者に有償で依頼し、学生に魅力的に見せるように設計・企画・運用を依頼していますから、中で働く社員の不満はほぼ外には出さない構造になっています。

ですので、できる限りVokersや転職会議で多くの企業の内情を覗き込み、作られた情報に惑わされたり、流されたりしないよう、情報武装を心がけましょう。

もちろん、世の中には素晴らしい企業はたくさんあります。しかし、素晴らしい企業かどうかを他社によって作られた説明会、採用ページからは判断が出来ません。名探偵コナンのように裏にあるトリックと真実を見抜きましょう。

 

また本音の情報を聞くにあたってOB訪問も効果的です。昨今はスマートフォンアプリのMatcherやビズリーチ・キャンパスなど、様々なOB・OG訪問ツールが無償で利用出来ます。できれば、企業の息がかかっていない、ボランティアや気晴らし気分でやっている社会人と接点を持ち、今の会社の内情や、本音を引き出すといいでしょう。

できれば、人事ではなく、営業職・マーケティング職・エンジニア職といった、自分が将来なりたい職種を担っている人と接触をするべきです。人事はバックオフィス職や人材業界出身者が多いため各職種の知識・経験がまた聞きであることが多く、参考にならないからです。

OB訪問で社会人と接触する際は、自分が悩んでいる点を素直に打ち明けながら、「なぜ自社を選んだか」「どんなタイプの人が活躍しやすいか」「会社の不満はなにか」「仕事をこなすにあたって勉強していることはなにか」「業界で注目しているトレンドは」といった質問をし、会社の判断軸・活躍する人材のポイント・隠された不満・業界/職種領域で勉強すべきことなどの情報を引き出しましょう。

 

3章:伸びる市場を探す

仕事をしていくうえで、その領域が伸びているかどうかは非常に重要です。

成長を続けている領域は、多くの雇用を生み、その領域の先行者は、成長に伴ってどんどん部下ができ、責任のある仕事を任されやすくなります。

一方、伸びていない、縮んでいる、成長が遅いといった領域では、リストラが進み、保身に走る上司に出世を邪魔され、いつまでも単純業務を回すだけの環境下になりやすいです。

就職活動では業界研究を行いますが、できれば業界地図や業界ランキングといったものではなく、業界トレンドを調べてほしいと思います。

どの業界も、民間のシンクタンクや公的な経済団体が、業界の市場規模や市場トレンドを予測する資料をWEB上で公開しています。

例えば、下記は電通が公開している広告業界における広告費に関するデータです。

2017年 日本の広告費 - ナレッジ&データ - 電通

着目すべきは、下記の2つの文章です。

「市場全体としては、さまざまな局面でデジタル・トランスフォーメーションが進み、それぞれの媒体特性を生かした統合的なコミュニケーション活動が顕著になった。」

「特にモバイルでの運用型広告、動画広告が伸長し、広告費全体を押し上げた。」

私はもともとは広告業界の人間ですが、実際にデジタルマーケティングに関する企業は成長しており、スマートフォン領域、動画メディア領域の企業も多くが成長し、採用も活発です。そのような企業に早期に入社していれば、自ずと市場の成長とともに自分の成長機会獲得のチャンスも増え、キャリア上プラスに働くことが多いです。

一方で、例えば前年比がマイナスになっている雑誌の領域は、若者のスマホシフトによる購買減、有名雑誌の廃刊など厳しい状態が続いており、キャリアとしても転職がしにくくなっています。

 

業界といっても無限ではなく、金融・メーカー・小売・インターネット・広告など主要な業界はそれほど多くはないはずですので、興味のある業界は少し深ぼって調査をし、その業界のトレンドは右肩上がりかどうか、イノベーションになるような出来事はなにか、注目されている企業はどこか、新興の会社はどこで何が強いのか、など情報収集をしましょう。

就職活動媒体でよく名前を聞く企業ではなく、社会的・業界的に価値があり、今後の成長が期待される企業に籍を置くことが人生の成功に近づくはずです。

業界についてはどんどんネットを検索して、情報武装をしましょう。

 

4章:自己PRは企業視点に基づいて行う

自己PRについては多くの書籍が出ているのですが、講師業の方が書いているものがほどんど、ハッキリ言って役に立ちません。

企業は自社の成長のために、それを支える優秀な人材を採用しようとしています。ですが、講師業の方は企業の成長において何が必要か、という観点を持ち合わせていないことが多く、ビジネスの視点が現場環境とずれていることが多いです。

自己PRの本質は、その企業の成長に貢献することです。

その企業が成長するには何が必要か。そのうえではどんな人材が必要となるか。実際にどんな人材を自社で雇用しているのか。自社の人材で活躍している人材はどんな人物か。

これを考慮したうえで、その企業で活躍できると思われる人材に、自分は近い人材であるポテンシャルがあることを示すことが自己PRです。

留学経験、アルバイト経験、学生団体経験などは学生起点の話になっていることが多く、その企業で活躍するために必要なスキルは何で、それに近いスキルを持っているという証明に落とし込みをし直す必要があります。

 

企業がどんな人材を欲するか、私が色々な企業の採用傾向を見ていて感じるのは、経営陣のプロフィールとの経歴・性格が参考になるということです。

企業経営において、社長や経営陣には偏りがあり、いくつかの傾向に分かれます。

①学歴が高い - 低い(東大出身など高学歴タイプか、中卒高卒無名大などの偏り)

②営業系 - 開発系 - コンサルティング系(営業出身、開発出身、コンサルティング出身など職能の偏り)

③体育会系 - 文学系(スポーツ好き、インドア・ギークの偏り)

④派手 - 堅実(派手・チャラさ、真面目・大人しさ・ガリ勉の偏り)

⑤元○○出身(元リクルート、元DeNAなど特定企業出身者の偏り)

上記はあくまで例なのですが、主に社長の経歴や性格をベースにして、その会社の経営陣ならびに自社の社員の傾向が偏る、ということはよくあります。

例えば、留学経験があり英語を身に着けた社長は、自社で英語を使う業務がなくても、留学経験者が多くなる傾向にあります。またサーフィンが好きな社長がいたのですが、自社にサーファーやサーフィン関係者が何人か在籍していたこともあります。

できれば、自分に近い会社のほうが、当然ながら内定はもらいやすいので、その会社の経営陣のプロフィールは一度チェックしましょう。

 

また、自己PRの精度を高めるために、Vokersで十二分にコメントを読み込んだのち、志望企業のOB訪問をMatcher経由で3人以上行って、各企業で活躍している、採用されやすい人材の傾向を分析しておきましょう。

そのうえで、自分の経歴や性格をストーリーとして上手く整理し、御社で活躍する人材に近づけるような経験を学生時代にしてきたんです、とアピールできるようにするといいでしょう。

例えば、その企業の傾向が、明るくてコミュニケーション力があり、少しチャラさもあってクラブ好きな人が多い、社員の服装も派手、とします。

その場合は、学生時代に音楽系のイベントを開催したことや、プライベートでよくいくクラブの話を盛り込むべきです。

また、専門性が高い技術者が多く、勉強熱心でややオタクなところがあり、どちらかといえばおとなしい人が多い会社があるとします。

その場合は、その企業で必要な専門知識を書籍などで学習した状態で、学生時代の経験の話よりは専門的な技術分野の話で面接時間を使うべきです。

どのような企業でも、コミュニケーションを取る時間は面接の1時間程度です。

その1時間、本当にその企業のアピールになるような情報を密に詰め込んだ状態で挑めるよう事前準備をしっかり行いましょう。

 

5章:ライバルがいない場所を狙う

就職活動において注意すべき点は、誰もが知っている会社、目立つ会社であればあるほど、他に受けている就活生が多いことです。

例えば、3人の内定枠に対し1000名エントリーされている会社と、2人の内定枠に対し50名エントリーされている会社とでは、前者の内定率が0.3%、後者が4%です。

0.3%という確率は、狙って当てられるものではありません。同様の確率の企業を100社受けても1社内定が出るか怪しいです。一方、4%であれば、同様の確率の企業に30社ほどエントリーすれば、1社内定を得られる確率が高いです。

現実的にエントリー出来る社数を100~200社程度と考えると、周囲が受けている企業を思考停止状態で受けることをせずに、戦略的にライバルが少ないと思われる会社を織り交ぜながら就職活動に臨むべきです。

 

エントリーが少ない、という観点では、例えば求人媒体の上位表示されていない企業や、また求人掲載をして間もない企業を狙っていくべきです。そのような企業は他のエントリーは少ない一方、ただ広告予算をかけていないだけで実は優良企業である可能性もあります。

また、そもそも求人媒体に頼らない、という観点も必要です。多くの就活生は大学の指導で有名媒体に登録をしますが、同じような媒体を使っている時点で競争に巻き込まれており、競争が多いほど内定率は下がります。

ですので、他の就活生は利用していないが、新卒採用の人事と接触できる可能性がある媒体・サービス・イベントなどを積極的に活用すべきです。例えば、中途採用で一般的に使われているWantedlyなどの媒体や、OfferBoxやニクリーチといった企業スカウト型のサービス、リンクアンドモチベーション開催の学生イベントなど、自分で新しい接触チャネルを考え、多くの接点を作ることが重要です。

また、採用活動は結局、人と人との接点ですので、社員の方に紹介してもらうという手段もあります。主に小規模(50名以下)の会社では、人事と他職種の社員が同じフロアで仕事をしていることが多いため、仲の良い社員がいれば自社の新卒採用のフローに乗せてもらえないか、新卒向けのイベントなどはやっていないかと聞いてみる方法もあります。初対面の人に依頼するのは失礼があるかもしれませんが、学生時代にお世話になっている先輩社員など気の置ける関係の方には一度話してみても良いでしょう。

 

6章:就活の常識に騙されない

就職活動を行ううえで、「企業説明会」「求人媒体登録」「自己PR」「SPI」など初めてのことに戸惑うことのほうが多いです。

しかし、これらの取り組みは、HRの事業者が企業から費用を獲得するために行っているに過ぎず、流されすぎてはいけません。

例えば、企業説明会の内容のほとんどは、ネット上の情報で十分であることが多く、それでいて生の社員の意見と照らし合わせると嘘まがいな表現をしているものも少なくありません。ホームページを見れば十分な話がほとんどですので、ハッキリ言えば行く必要はありません。

また求人媒体への登録は、ライバルがあまりに多すぎて、無駄なエントリーになりがちです。ただ流されて登録をせず、大型の求人媒体以外に人事と接点を持ちエントリーできる場所が他にないか、自分の頭で考えるべきです。

自己PRは、上記に述べた通り、一般的な企業のビジネス経験が乏しい人がすました顔で学生に話していることも多く、書籍の多くは仕事の実体から離れています。本ブログに記載された内容を参考に、自分でアピール方法を考えたほうが良いでしょう。

SPIについては、そもそもSPIを導入する企業はそれだけエントリー数が多い(多くの学生を絞り込む必要がある会社である)と考え、SPI導入企業へのエントリーを避けることを行ったほうが良いでしょう。

内定枠が限定的であり、ライバルが多い、という状況を考えると、いかに他の人と異なる道を行き、賢くすばやく内定を掴むかを考えることが勝ちに繋がります。

 

 

おわりに:キャリアに「市場感覚」を持とう

企業に就職をするということは、あなたの労働力を会社に買われるということです。

労働力は希少で価値があればあるほど、値段が上がります。

代わりがいればいるほど値段が下がっていきます。

あなたの労働力の価値を高めるには、今会社はどのような人を買いたいのか。もっと言えば、業界や社会、職能として高い価値がある人はどのような人なのかを分析しながら、そのキャリアに微修正をしつつ自己投資をしていく必要があります。

新卒における就職活動は、今後の市場価値を決める第一歩。なるべく高い価値にあなたが近づけるファーストキャリアは何なのか、自分の頭で考えて、どんどん企業と接触して、納得できる一歩を歩んでほしいと思います。

また、社会人の方は、本記事をぜひ学生の方に共有し、就職活動の支えとなってあげてほしいと考えます。

 

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