モアプロジェクトは、個人に対しては、複業・パラレルなキャリア展開を推奨するサービス。法人に対しては専門的な人材と協業することで新たな視座を得られるサービスとして展開しています。
ですので、 「異なる視点を提供する」ということを、大切にしていまして、本記事では、ベンチャー企業と視差(視る者や視る位置による差)というテーマを書きます。
先日とあるベンチャーキャピタルの方とお話したのですが、バリュープロポジションが不明確なので従業員、企業、ユーザー、起業家としての自分自身、どこか重要な対象を1つに絞れと弊社の事業に対して断言をされました。
そして私はとても違和感を感じました。
従業員、企業、ユーザー、経営者というステークホルダーは、バランスを取るのは難しいというか、既に色々なビジネスで強い・弱いの偏りがあると認識しています。
ストレートに言えば、この中で一番割りに合わない思いをするのは従業員です。ビジネスにおいては従業員が圧倒的に弱かった。
昨今はビジネスにおける透明性はSNSによって加速し、よく聞く声としては上手くマーケティングをしても売れなくなった、マーケティングで嘘をつけなくなったと伺います。
そして、今後は従業員に対する考えも、同じようなことが起こると思っています。
つまり、どんなに事業が伸びている、PRが優れている、強いプロダクトを持っているとしても、従業員が不満足しているという事実はもみ消されることはなく、透明化され、誰の目からもわかってしまうようになるということです。
以前の記事で、ベンチャー企業はVCに出資を受ける以上は顧客数を増加させなければならない、と書いたと思うのですが、見方によっては、顧客の増加は従業員にとって負担になることがあります。
それは、売上目標のために、特に必要のない顧客へ販売する行為が結果的に強いられてしまい、顧客も従業員も不満に思うビジネス活動をしてしまうリスクから発生します。
私はとある事業のカスタマーサクセス業務の企画職の相談を受けたことがあるのですが、やる気のない顧客にカスタマーサクセスをする、おかしな構造を垣間見ました。
つまり、無理に営業をして受注した顧客に対し、いたずらに架電をし、製品の稼働率を元にサービスを使うよう唆すものの、企業担当者の現状からするとそのタスクの優先度は他業務より明らかに低く、結果カスタマーアンサクセスになっていました。
この状況は企業もそうですが、担当していた営業も明らかに滅入っており、それに機械的なマネジメントで無理矢理に数字を上げさせるようなことをしていたのです。
これは、企業契約数を増やすことと従業員個人の幸せとが釣り合っていない一例でしょう。
私は会社を創業する際に、自社の名前をマーケティングHRと暫定的に定めました。
これは色々な理由があったのですが、市場への営業マーケティング活動と同じくらい、ヒューマンリソース(従業員)の体験を大切にしたいという思いもありました。
最近では、従業員体験を損なうわかりやすい悪いニュースとして、カネカ社の事件がありました。
私はオープンワーク(旧vokers)口コミを確認したのですが、事件の発生に関わらず、そもそもの従業員の不満の声は大きく、ヒヤリハットな従業員への悪質な体験は他にもあったろうと想定できます。
大手企業だから従業員は幸せとは言えないと、世間に知らしめたニュースでしょう。
カネカ社に限らず、大手企業は人間関係や凝り固まったルールで不満を抱く社員が少なくありません。
少し話は脱線するのですが、先日、磯村暖さんという芸術家が、地獄思考への疑問、つまり、悪いことをしたら苦しんで当然という考えはおかしいのではないか?という発言をされているのを記事で目にし、ハッとするものがありました。
LGBTQ、移民。複雑にみえる人権問題は「もっとシンプルなはず」。26歳の美術家が考える"社会課題"との向き合い方 | NEUT Magazine
『悪い事をしたら苦しんで当然』という考え方は視点を変えれば、人を安易にカテゴライズしたり、レッテル貼りをして、差別することに繋がりかねない。確かに社会で決められたルールは、モラルを保つ側面がある一方で、ときに私たちから「自らの頭で考える力」を奪ってしまう。
人種や、宗教を理由にレッテル貼りされた人々は、迫害されたり差別をされたりして、苦しみの中で生きている。そんな事がまかり通っているこの世こそ、地獄だと思っていた。
そう、物事を円滑にするために作ったルールは、時に思考力を奪うのです。
その意味では、昨今ベンチャー企業の中でブームとなっているKPI思考も危ない一面があると私は考えています。
以前、スタートアップのとある事業責任者が、メンバーが事業を良くするために長期で何も考えてくれないんだ、と思考の時間軸の違いに嘆いてました。
これは私と共に紐解くお手伝いをしたのですが、どうやら、厳しいKPI設計により、メンバー達が指標以外のものが見えなくなっていたことが原因でした。
事業部というチームをどうするか、そもそもこの事業をどうするか、会社をどうするのか、そういった自分の目標の外にあるものは、考える時間も設けられていなければ、自分の数値目標にもないため考えることもなかったと話す方もいました。
ルール通りにやりなさいは、ルールで定められていないものへの思考を除外してしまうのです。この状況は、いったい、従業員にとって幸せなのでしょうか。
時に思考の幅や取り組みの範囲を広げてあげるような体験を設計してあげなければ、事業や組織に対する長期思考は芽生えないでしょう。
弊社は実験的に、お金にならない取り組みを始めました。小さなNPO法人のアーティスト協会でタレントとして勉強会に参加している方に向けた職能教育やタレントプロデュースです。
代表の方に話を聞くと、タレントの収益源としては広告宣伝によるマネタイズが多いようです。
そして広告業界では、広告主によるインハウスマーケティングが増えています。
現在、SNSの影響もあり、タレントと直接コンタクトも取れる環境が整ってきています。
広告主側とタレント側も、個人として自立して考えられる・活動できる世の中になりつつあります。
だとすれば、タレントを広告マーケター側が初めからプロデュースしたほうがいいのではないか、というご提案を受け、面白い発想だと思いました。
ただ、直近ではこの取り組み自体で報酬は発生せず、正直に言えば儲かりません。民間企業であればリソースをかけにくい領域でしょう。
なので私はあえてやることにしました。競争戦略的な意味合いでも、一見PL上無駄なことをすることが、サービスの深みや哲学を作るのではないかと。
弊社からは、時給で換算すれば相当高い方、元ベンチャー企業のCXO経験者で、EXITを果たした方に声をかけました。
弊社のモアプロジェクトのコンセプトは、「幅を広げていく豊かさ」です。
多くのプロフェッショナル性の高いビジネスマンと話をしていく中で、仕事選びの軸が金銭の多寡ではない方をたくさん見てきました。
先日私は、上場準備を控えたあるベンチャー企業の面接に立ち会いました。
候補者の方は定年リタイアの年齢ではあるのですが、大手有名ネット企業で該当職能の責任者を何度も経験しており、知識も経験もプロフェッショナルと呼んで相応しい方です。
これまで彼は、複数の有名ネット企業のある職能分野の組織立ち上げを0から1にする経験を次々とこなしていました。
彼が面接で語ったことは、自分の能力でベンチャー企業を支えることが出来れば幸せで、金銭の多い少ないは関係ないと。
私は候補者の方がそう思えるような会社や事業を探すことが一番のコアコンピタンスとすべきだと考える、ようになりました。
初めは意識をしていなかったのですが、現状、エクイティでの資金調達1桁億円〜の企業がメインの取引先となりました。
すべての会社が、TechCrunchに掲載されているような、独自のビジネスモデルやステキな経営者を持っています。
市場上の限界はありますが、このスタンスは出来る限り崩さないで頑張ろうと思います。
つまり契約社数に制限をかける、いたずらに儲けないことを選ぶということです。
私は、ターゲットへのこだわりが、高いエンゲージメントを生むという経験をしました。
以前は小学館やマガジンハウスなど女性誌のプレミアムメディアにこだわったアドネットワークを開発していたのですが、その際に代表と話をして、信用の低い媒体のネットワークの加入を頑として拒否することにしました。
ブランドや一次発信者の信頼を維持するネットワーク群にこだわる戦略を取ったのです。
その結果、市場でもっとも高いクリック率や収益率を実現することが出来たのですが、やはり売上額は多くはありませんでした。
このような市場作りもありだと思った
製品としてはニッチだが、愛されるものの開発です。
まとまりはありませんでしたが、当たり前、正解と思われるものを異なる視差で見る。ということを本記事ではお伝えしたい内容でした。
■ベンチャー企業に副業として参画したい方へ
自身の能力を活用し、ベンチャー企業を救いたい、と思う方は、モアプロジェクトに登録してみませんか?
この記事を最後まで読み込んだ方であれば、挑戦してみてほしいです。
主にシリーズB~プレIPOの、成長中の魅力的な企業様のみと取引をしておりまして、そのような企業様の課題解決をお手伝い頂きたいです。ご興味がある方はご登録ください。
■ベンチャー経営をしている起業家・経営者様で、事業をドライブしたい方へ
弊社のサービスは、市場にいらっしゃる優れた人材にすばやくアクセスし、事業成長のスピードを高めることが出来るサービスです。
もし、経営者様の中で、優れた人材にアクセスして、事業戦略のスピードを高めたい、という方はお問い合わせください。