「天気の子」批評: 資本主義を超えたエンターテイメント実験 | ベンチャー企業の副業・複業探しはモアプロジェクト

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新海誠作品の新作「天気の子」を視聴しました。監督もおっしゃっている通り、ストーリーのプロットや結末は議論(人によっては反論や批判)も起こり得る作品に仕上がっており、良くも悪くも引っかかりのある映画に仕上がっていると思いました。


「天気の子」は「君の名は」の次回作であるという前提に立った(新海誠さんの作家性を知らない人を含め大勢の人が見るという前提)壮大な社会実験なのだと解釈しました。


「天気の子」では「君の名は」と同様の疾走感あるradwimpsの音楽と美しい描写によるどストレートのエンターテイメントコンテンツでありながらも、社会的には目を背けたいものがたくさん描かれています。

映画視聴後は、それらの描写のインプットから新しい視点や考えさせられるものが多くあるでしょう。


詳細の描写は控えますが、若者の生きにくさや答えのなさがストーリーで描かれます。

ただ真っ直ぐに走る少年性や自分勝手さと、凝り固まった社会性や大人らしさが常に対比されて描かれている脚本でした。

私は、俳優の小栗旬さん演じるキャラクター須賀圭介が大人性と子供性の間で揺れているシーンが印象に残りました。

視聴している方が大人の社会人であれば、子供の立場と大人の立場、どちらが正解なのかわかりにくい、迷ってしまうような描写があり、刺激を受けることでしょう。


これは観る人によってどう捉えるか変わると思いますが、私は今の生きにくさのある若者を肯定する、元気付けるようなメッセージ性を感じました。

私はよく若者のキャリア相談に乗るのですが、いまどのような選択肢を選んでも、正解と言いにくい世の中だと思います。

「大きなもの」や「権威あるもの」が正しくないのかもしれない、ということは、大手企業や大手芸能事務所などの不祥事からも薄々と感じ取れるような社会となってきています。


そして、私もそうでしたが、若い人に社会の全てを見通してから正しい選択を選ぶ、ということは無理があり、それならば、今目の前で大切にしている人やもの、価値観を信じて取り組みなさいと「天気の子」では伝えようとしている気がしました。


「天気の子」の終盤では、荒れた天気の中で晴れることを願う無力なヒロインが描かれます。これは環境が良くなることを願う若者の気持ちの比喩にも見えました。

そして、変えられない環境の中で、大切にしている人やものと生きていくしかない、それでいいんだと肯定するメッセージにも捉えられ、(なかなかストレートに伝わってくれるかはわからないのですが)間接的には若者を応援するエールにも感じます。


「天気の子」をビジネスの視点で観た時に面白い点は、この作品が興行成績を超えたものを見ようとしたことです。

一般的にビジネスのシーンでは、いかにお客様に満足してもらうかを模索し、顧客人数や顧客売上を追います。

たくさんの人が気持ちよく感動できる、その期待に応える、ということがエンターテイメントビジネスとして求められます。


しかし「天気の子」はそのようなエンタメ作品としての市場性を意識しながらも、議論や批判を巻き起こすようなプロットを作品に仕組んでいることが独自です。

観る人によってはクレームになり得る、子供に見せたくない、気持ちよく終われないという側面があるのです。


これは、観客だけでなく社会も意識されている、ビジネス用語でいえば「ESGの観点」を私は感じ取りました。

ESGとは、環境(Environment)、社会(Social)、ガバナンス(Governance)の頭文字を取ったものですが、この言葉が流行った背景はサスティナビリティにあります。

つまり、ただ売れるものを作るだけではなく、地球や社会に継続性のある事業を営むことが価値とされる考え方です。


「天気の子」の視聴後に新海誠監督のインタビューをいくつか読んだのですが、今回の作品のキッカケの1つとして「君の名は」での視聴者からの批判があったようなのです。

これは私も知らなかったのですが、君の名はへの批判としては、「災害をなかったことにする映画」「代償もなく死者を蘇らせる映画」といったセリフがあり、これが新海誠監督には突き刺さったようです。


多くの人が観るようになってしまった、社会的影響力が強まってしまった。次回作もきっと多くの人がこの作品を観る。そんな中で作るべき映画は何か?

新海誠監督の頭にはこのような想いがあったようです。


正解がない時代にいかに生きるか、これにはもちろん答えはなく、「天気の子」も同じようなモヤモヤ感がある映画です。

そのモヤモヤとした気持ちや、議論や物言いをしたくなる感情などを想定してこの映画は公開され、新海誠監督はそれがどのような現象になるかを見てみたいと発言されていました。

これは壮大な社会実験であり、単に売れるエンターテイメント作品を作るだけではなく、社会的に答えがない問いを投げかけた時に人はどう反応するのかを観る新海誠監督にとっての学習機会となるものです。


もしかすると、悪い方向に流れ、興行成績も「君の名は」より下がる可能性もあります。

しかし、その可能性をわかっていながらも、少年のように、今自分がするべきこと、したいことをやってみるんだという「天気の子」の取り組みは映画史上では初の取り組みであり、単に業績を上げるだけではない社会的な爪痕を残す作品となることでしょう。

 

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