2019年 取り組みの振り返りと2020年の抱負について

■起業について

弊社の始まりは小さなもので、はじめは、モバイルファクトリーの宮嶋社長とお会いした際に猛烈に起業をお勧めされて、その翌週に会社設立freeeで会社を作ったのがキッカケでした。

 


もともと起業をするのは数年先と準備をするつもりだったのですが、結果的に早く創業して正解でした。企業経営による学習効果は本当に高かったです。

 


まず、起業の際は営業力がとても大事だと身に染みてわかりました。過去に私は、新規設立した名もなき子会社の新商品営業を行ったことがあり、そこである程度は経験出来ているつもりでした。

しかし全く資本のないところから、一から信用を作っていくのは大変で、金融機関や取引先を0→1で作るのは大変だったものです。

 


ありきたりな言葉ですが、人の助けを得ながら進んでこれたのが事実です。

特に創業期から支えて頂いたのは元ヤフーの武藤芳彦さんで、モアプロジェクトの市場開発では何度も助けられました。

 


結果的に、何社ものベンチャー企業様と取引をすることができ、経営メンバーにも恵まれることができました。

 


また、とても勉強となったのは取引先企業様たちです。

例えば、TANP(Gracia)という20代前半の経営者が経営する気鋭のベンチャー企業とお仕事をしたのですが、彼らの定量的に業務を見てスピーディに改善する力は、データや改善を意識するキッカケになりました。

またSOICOという信託型ストックオプションのコンサルティングの会社と取引をしているのですが、まさに信託型SOのスキームや活用法についてはお仕事の中で勉強させて頂きました。

実際に、弊社の取引先のFOWDという会社で(こちらは別企業が支援し発行していたのですが)信託型SOやJ-KISSなどが活用されており、ベンチャーファイナンスについても生の情報を得られました。

 


このような取引先の存在は、見識を広げ、視野を高めるキッカケとなりました。本当にありがとうございました。

 


そして、弊社のビジネスモデルはいわゆる企業と求職者をマッチングさせるモデルなので、たくさんの専門性の高い方々と接点を持つことができました。

 


経営企画、エクイティファイナンス、デッドファイナンス、マーケティング戦略、SNSマーケティング、マーケティングデータ分析、業務アライアンス、内部統制、 BtoBマーケティング、広報、経理…

 


書き出すとキリがないのですが、たくさんのビジネス領域の専門家の方とお会いしました。

 


私はビジネス書が大好きなのでとても光栄なことなのですが、ビジネス書籍の執筆をご経験されている現役のビジネスマンかつ本の著者の方ともたくさんお会いすることが出来ました。

 


例)

「ベンチャー企業が融資を受けるための法務と実務」の千保理さん

「経営を強くする戦略経理」の前田 康二郎さん

「アドテクノロジーの教科書」の広瀬信輔さん

「Excelでできるデータドリブン・マーケティング」の小川貴史さん

 


さらに、名前は伏せますが、有名ベンチャー企業のCXOの方ともたくさんお会いする機会がありました。

 


このような方々との出会いは、出会うからには、その前後でその方についてよく調べてからお会いしているのと、それに加えて直接コミュニケーションを取ることでたくさんの学びや気づきを得ることが出来ました。

 


今年は、これらの出会いに感謝し、尊敬の気持ちを持って、学んだことを役に立てるような経営をしたいです。

 


■副業市場について

私たちの参入領域は副業市場なので、本領域に参入するほぼ全ての会社の取引状況や現状リソースなどは把握できているつもりです。

 


すでに同分野の参入は相当数に増えておる一方、私が創業期から予測しているのは、この副業市場の実態は小さいと予見しています。

 


そのため、事業者サイドがいたずらな規模拡張を追うことは破滅の元。エクイティマネーは避け、デッドの範囲内で小さく売上を積んでいくことが事業者としてのあり方では?と私は考えていました。

実際に、各副業関連企業に対してピュアVCの資金はそこまで入っておらず、エクイティマネーを投資できるのはほぼ人材業界企業の大手。

これはすなわち巨大な市場がそこにないことの証明でもあります。

 


むしろメディアがいたずらに副業を煽ることで、企業内で経営リスク要因と判断され、副業規定の策定(=副業の管理と引き締め)に取り組む人事企画部門の動きが進んでいます。

2020年もメディアが副業をフューチャーすることは多いものの、実態としての企業取引規模は大きくは増えないものと予想しています。

 


これに加え、これは副業事業者にとってのペインと言えますが、実際に国内で副業可能な人材の限界に直面し始める1年になります。

実は某副業事業者が紹介するエンジニア品質は日に日に下がっています。SNS、イベント、広告出稿、広報活動で接触できる人材で、かつ副業として紹介可能なレベルに達している人材の数は無限ではありません。

それが副業事業者の売上の壁になるのは間違いありません。

 


厳しいことを言えば、そもそも上記のようなマーケティング活動によって副業を始めようと考える人が、副業に取り組めるかは疑問です。

そもそも取引形態が業務委託契約となるため業務の高度な専門性や結果が問われるので、プロフェッショナルでなければ副業は難しいのが正直なところです。

 


■プロフェッショナルの専門職について

上記で厳しいコメントをしましたが、プロフェッショナルとして高度な専門性を持って業務委託を担える人、自体は増えてきています。

私は転職プラットフォームの事業者として転職事例を複数見てきましたが、転職も少しずつジョブ型に近づいて来ております。

2019年に見たトレンドとしては、独立できる職種が増えたことです。従来フリーランスになりやすかったのはエンジニア・デザイナーでしたが、採用リクルーター、広報、経理、マーケターといった職種での独立が多く見られました。

 


また昨年上場したfreee含め、個人事業を支援するツールも増えています。Slackなどのコラボレーションツールや、SaaSによる業務のデジタル化がいっそう独立の裾野を広げているのでしょう。

バックオフィスがfreeeなどで簡略化され、業務がSlackやSaaSツールをメインに進められるとするなら、会社勤めをしなくても成り立つ業務はどんどん増えていきます。

 


また、この話と先ほどの副業事業者の話は矛盾しておらず、これらのプロフェッショナルの個人は自身の専門性を売りにするため、単価の安い副業には積極的に取り組もうとしません。

これまで通り、専門家が業務委託でしかるべき報酬を得る。高単価フリーランスのような取り組みは増えていきます。

 


■ベンチャー企業について

今年は、IT系ベンチャー、そしてバイオ系ベンチャーと多く取引を致しました。

中には、残念ながら業績よりかなりマルチプルをかけたバリュエーションを付けられていた企業が資金ショートする事例も見てしまいました。

(きっとVCの方はこのような例をたくさん見ていて、大変なんだろうな…と思ったものです。)

昔はビジョンや凄みのようなものでバリュエーションを付けられましたが、WeWorkのショックもあり、SaaSのような手堅いビジネスにVCマネーは流れるのではないでしょうか。

 


また2019年は若手VCの存在感が強まった年でした。

私はお会いしたことはありませんが、

・THE SEED の廣澤 太紀さん

・East Venturesの金子 剛士さん

・TLMの木暮 圭佑さん

といった平成生まれVCが活躍されている話題を、他のエンジェル投資家や起業家などから聞く機会が多くありました。

 


また、メディアのベンチャー関心度合いも高くなっています。

私は戸村光さんと仲良くさせて頂いているのですが、彼のピッチイベントでは最近は一般メディアの方も取材に来るようになってきています。

 


バンドブームのような扱いにならないか心配ではありますが、ベンチャー起業やベンチャーキャピタルのブームを勢いとして感じます。

 


■SaaSについて

いま、あらゆる業態の中でもSaaSが圧倒的に伸びています。

国内のベンチャー企業でも勢いがあるのはヤプリ、SmartHR、FORCAS、RevCommといったSaaSベンチャーです。

SaaSは、顧客の声、データ、プロダクト、ビジネスといった点を線に繋げて、事業成長を科学できる点が際立った特徴です。

 


私はRevCommのTechCrunchのピッチプレゼンが印象的でした。

RevCommのピッチは、淡々と事業の結果を述べるだけで、事業のビジョン・創業の想いなどは最小限に抑えられた内容でした。

ですが、圧倒的な係数改善効果と事例を見せつけることで聴衆の驚きを生み、TechCrunchのピッチイベントでは優勝しました。

これは、いたずらな喧伝より結果と成功を見せることが強いということの証明でした。

そして、SaaSであればそれを示しやすいのです。

 


世界の潮流は確実にデータです。データを用いた経営が経済をリードしています。

著書「アフターデジタル」に掲載されたアリババなどの中国企業の取り組みは日本のビジネスマンを驚かせました。

Uberやテスラなどシリコンバレー企業の競争の源泉もデータによるグロースハックです。

 


これらは決して中国やシリコンバレーの独占ノウハウではなく、実は日本こそ得意としている領域だと私は信じています。

なぜならデータ活用を支える根底は、クリエイティブな発想と改善です。これは元来、日本企業がJAPAN as NO.1でいられたスキルです。

 


日本のSaaS industryが成長することで、日本企業のデジタルトランスフォーメーションも加速し、圧倒的な改善力で世界を驚かすポテンシャルを秘めています。

THE MODELの著書の福田さんのように、製造業の考えを営業マーケティングに応用し成功させた日本人の事例を見て、ベンチャー企業を中心にデータドリブンな経営は芽吹き出しています。

シリコンバレーや中国に負けない、日本発世界となれるような日本企業を再び生み出していくことができる。

そんな期待や可能性をSaaSの産業に求めたいです。

 


■2020年の抱負について

Dropboxの友人紹介プログラムを設計したグロースハックの父、ショーン・エリス氏によると、外部から専門家を登用する動きは増えると述べています。

企業の成長のために部署を横断して多様なアイデアを求めるグロースハックにおいては、自社で抱えていない専門リソースをアウトソースする動きが正解に近づくこともある、というのが彼の意見です。

弊社もそれを信じて、外部の顧客に対して気づきを与えられるようなプロフェッショナルな人材のご提案とアサインを今後も行なっていきます。

また、自社自体も様々な専門職能で素早く問題解決に当たれる組織を目指し、外部からプロフェッショナルを登用する機会を一層増やしていくつもりです。

 


そして、本記事にて触れましたが、今年1年はSaaSの可能性に一つの軸足を置きます。

日本が再び世界トップクラスのビジネスを展開できるよう、データドリブンな経営をサポートしたいと思ったのです。

かの昔、IT業界は虚業と言われてきましまが、今やITは経営を改善するエンジンになることでしょう。

 


弊社では、必要な顧客のデータを獲得し、素早く経営改善が出来るようなツールを構築している最中です。もちろん、SaaSのビジネスとして提供します。

名前は、「open page」で考えています。

視野を広げていく(open)というモアプロジェクトのコンセプトはそのままに。

自社のノウハウを公開(open)して、顧客と透明性を持って接することで顧客の情報をより深く得られるツール。

そして知った情報をもとに新しい施策をopen(始められる)するツール。

そして、その新規性の高い施策をモアプロジェクトで支援します。